気圧の変化による、機内で起こる体調不良とは

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掲載日:2015-09-02

気圧の変化による、機内で起こる体調不良とは

海外旅行をする際に避けて通れないのが、飛行機への搭乗です。空を飛ぶわけですから「何かしら体に異変が起こってしまうのでは……?」と不安に感じる方もいるかもしれません。ここではそんな不安を抱える方に向けて、飛行機に乗ることで起こりうる体調の変化や対処法について紹介します。

飛行機内では、どれくらい気圧の変化が起こる?

飛行機に乗ると、耳が痛くなったり、詰まったような感じがしたりと、何らかの変化を感じることがありますね。これは、飛行機内の気圧の変化が原因です。

飛行機は離陸直後から少しずつ高度を上げて、雲よりもずっと高い高度で音速に近い速さで飛んでいます。客室は与圧装置により気圧を調整されていますが、気圧は約0.7~0.8程度と地上よりも低く、標高約2,000~2,500メートル程度となっています。これは、富士山の5合目あたりを登っているのと同じような状態になるのです。
特に気圧の変化は、離陸直後の上昇や、着陸前の下降の際に、15~30分程集中的に発生します。

どうして気圧が低下すると体調が悪くなる?

気圧が急激に低下することで酸欠状態に陥り、体内の血液循環が悪くなります。自律神経が気圧の変化に体を適応させようと模索することにより、自律神経が乱れ、同時に体が膨張しやすくなったり、体内にガスが溜まりやすくなったりします。すると、体外へ排出できないガスが内部を圧迫するため、耳の異変や痛み、患部の痛みなどを感じることがあります。

さらに、体の膨張により血管やリンパの流れが悪化することで、全身に血液が巡りにくくなり、その結果、肩凝りやむくみ、だるさ、めまい、頭痛、吐き気などを起こすようになります。

飛行機内の気圧の変化で起こりやすい体調不良

体内のガスが膨張することから、最も陥りやすいのが耳の詰まりや痛みです。特に気を付けなければならないのが、航空性中耳炎でしょう。航空性中耳炎は、気圧の変化により圧力が高まったまま耳が痛くなる症状で、重症になると鼓膜内に液が溜まり痛みがひどくなります。

同じように、顔全体に痛みを感じることもあります。通常、顔の表面近くにある副鼻腔という空洞には自由に空気が出入りしていますが、鼻が詰まったままで気圧の変化が起こると、副鼻腔内の空気が膨張。副鼻腔炎を引き起こすことがあります。

飛行機内の気圧の変化への対策方法

飛行機の離陸、着陸で気圧が急激に変化することは、搭乗者の私達ではどうすることもできません。少しでも体調の悪化を防ぐために、対策をしましょう。
耳の痛みや顔の痛みを発生させないよう、離陸や着陸前には鼻づまりを解消し、耳抜きをします。
耳抜きの方法には、「つばを飲み込む」、「飴をなめる」、「ガムをかむ」、「あくびをする」といったものがあります。ほかには、鼻をつまみゆっくりと鼻に空気を送り込んで圧力を上げていく「バルサルバ法」という方法を試しても良いでしょう。鼻をつまんで空気を送り込むことで、片方の耳にスッと空気が入り込みます。その後もう片方の耳にも空気が入り込むまで、ゆっくりと丁寧に続けましょう。

また、血流の悪化を防ぐためにも、座ったままできる体操をしたり、深呼吸をしたりしながら着陸、離陸を待ちましょう。カフェイン入りのものなど、一時的に血管を収縮させる飲み物もおすすめです。

今回は、気圧の変化によって機内でどんな体調不良が起きるかについて説明しました。飛行機の気圧の変化は避けられないため、体調不良に陥る前にしっかりと対策を行いましょう。